七夕

7月7日、今日は七夕。
クリスマスツリーみたいに組み立て式の笹が、昭和基地にも飾られている。

願い事を書いた短冊はご自由につるしてクダサイ方式。

一応、七夕っぽいことしてはみてるけど、こと座のベガ(おりひめ星)もわし座のアルタイル(ひこ星)も、実はここ南極の空では見ることができない。
南極の空にはすんごい天の川が流れてるけど、その大河を挟んだ織姫と彦星が1年に1度繰り広げるロマン?は残念ながら地平線の下。

日本でも毎年この時期は雨が多くて、キレイに晴れた七夕ってあんまりない気がする。
星どころか、今年は大雨特別警報や避難指示なんて出てるニュースを見た。
こちら昭和基地でも、庶務隊員から「家族に連絡がとれないなどあったら言って下さい」というメールが回ってきた。
ちょっと前に大阪北部であった地震の時には昭和基地時間午前3時に隊長から電話があり大阪で大きな地震があったということを聞かされた。
知らされても、ひたすらネットニュースを見てビビることくらいしかできなかったのだけれど…。
日本で何が起こっていたとしても、ここでは指をくわえて見ているしかできないことを実感する。

そして今日の南極の空には、地平線下で織姫と彦星を隔てている天の川さえ見えていない。
雪が降っているみたいだ。
一昨日の夜は星空もオーロラも見ることができていたのだけれど。

私はMy Aurora Forecastというアプリを使って外へ出るタイミングを決めている。

よっぽど条件がよくないとなかなか−20℃の中、外へ出る気がしなくなってくるのだ。
また、太陽活動的にオーロラが出やすいと予報された日でも、曇っていたりブリザードだったりすると論外になってくる。
開いた口がふさがらないくらいものすごいオーロラに、さて、あと何回出会えるだろうか。

そうこうしているうちに、待ちわびた太陽くんとの再会の日も近づきつつある。
ここにはスーパーもコンビニもないので、欲しいものやあげたいものを書きあうホワイトボードがあるのだが、そこには
欲しい人=「全員」
欲しいもの=「太陽」
と書かれている。

南極で暮らす私達にとっては、七夕よりも日の出を迎える7月13日の方がビックイベントかもしれない。