ザンベジ川で濁流にのまれるの巻

今年の夏は南部アフリカを巡る旅!
ざっとこれまでの旅をダイジェストにして振り返ると、、

ケープタウンで喜望峰見て、

ケープペンギン見て、

テーブルマウンテン見て、

ジンバブエでビクトリアの滝見て、


徒歩でザンビア国境超え、ザンビア側からのビクトリアの滝も見て、

ボツワナの国立公園チョべでたくさんの動物達に出会い、、

と、
ここまでは、警戒してたほどコワい目にもあわず、順調にゆるく旅してこれた。
そのゆるさをど返ししてくれたのが恐怖のザンベジ川ラフティングだった。
ザンベジ川は、ジンバブエとザンビアの国境を流れる川。
右側にジンバブエ、左側にザンビアを眺めながらゴムボートに乗って約3時間流される。
まず、説明のおっちゃんが超コワもて。
ちょっと前に流行ったビリーズブートキャンプのビリーみたいな勢いのオッサン。
表情一つ変えずに超デカイ声で早口になんか説明してるんだけど、いちいち意味不明。
いちおう真剣に聞きとろうと試みるのに、時々ジョークも言ってるみたいでみんな笑ってるけど、余計に意味不明。
ボートから落ちたらどうするとか説明してたんだろうけど、ほとんど意味不明のまま、ビクトリアの滝が流れ落ちる滝壺のすぐそばまで降りていく。

キレイ、、
これこら起こる恐怖が想像できないくらいに幻想的なたたずまい。
九州の高千穂のスケールを10倍くらいにしたカンジ。
激流にもまれ最低でも1〜2回は転覆するというザンベジ川ラフティング。
カメラ持っていく余裕なんてなさそうだったので、写真撮れなかったのがとってもザンネン!

わたしの乗ったボートの乗組員は、体格のいいイギリス人カップル2組と、弱っちい日本人夫婦(我々)、そして偶然ここで出会った1人旅の日本人男性Kさんの計7人と、ボートの指揮をするリーダー+スタッフ1人だった。
我々のリーダーは、超コワもてのビリー隊長に比べると、ちょっと優しそうな細身のおっちゃんで安心した。
しかし、
講習が始まるとリーダーの顔付きが変貌する。

リーダー 「こげ!もっと体を使って!」

リーダー 「違う!わからなかったら前のを見てマネしろ!タイミングを合わせるんだ!!」

漕ぎ方の練習をしながら力量をリーダーが見極め、座る場所がどんどん入れ替えられていく。
我々ジャパニーズはみるみる格下げ。1番最後尾に落ち着いた。
この場所、すぐ背後に鬼リーダーがいるためいっさいサボれない。

リーダー 「もっとがんばれジャパニーズ!カモーン!」

いじってるだけなのか、マジおこられてんのかイマイチつかめない。
よくわかんなくて笑ってると、「なにがおかしいんだ!真剣にやれ!」的なこと言われるし、、まぢ凹む。

リーダー 「飛び込めー!」

私 「え?え?え?何?何??」

って戸惑う暇なく周りみんな川に飛び込んでいくので、しゃーなし川に身を投げだす。
転覆した時ボートに上がってくる練習なんだけど、突然始まるからわけわかんない。
川の中からボートに戻ろうとするけど、自力ではとても無理!
ヒョイっと腕力だけでボートに速攻もどれてるイギリス人すご過ぎる。
ジタバタしてると鬼リーダーがライフジャケットの肩んとこを掴んで引っ張り上げてくれた。
この人いないとボートに戻れない、、
鬼リーダーへの服従心がわきあがる。

ちょっとした練習が終わり、いざ出発!と、目前に見えてるすんげー水しぶきと轟音、、
まさか突っ込みますか?!

リーダー 「こげー!」

あぁ、やっぱり、、こんな感じのとこ突っ込みますか、、

ゴー、、ザバーン!バッシャン!バッシャン!バッシャン!ザブザブザブ、、、

鬼 「△☆※□★ー!!」

皆 「ヒュー!!♪」

1つの激流ポイントを乗り越えるたびに、なんて言ってんのかよくわかんないけど鬼リーダーの掛け声がかかり、皆でオールをハイタッチのように掲げて盛り上がる。

けっこうオモロいかも❤

まさに天然のジェットコースター!ハンパない高さの波にどんどん乗り上げては下っていき、ハンパない水しぶきを受けながら進んでく!!
8つ目のポイントの前、リーダーがライフジャケットの緩みがないか確認しろ的なこと言ってる。

私 「大丈夫」

リーダー 「立て」

私 「はい」

ギュー!ギュー!
コルセット並みの勢いで締め付けられた。
その意味は直後にわかる。

リーダー 「もし、落ちそうになったらボートの周りのロープを掴むんだ!」

私 「わかった」

リーダー 「こげー!」

バッシャーン!!の直後、ロープ掴む余裕なんて全然ないまま瞬間的に視界全体が泡&泡&泡…
息もできない。

心の声 『落ちましたー。沈んでまーす。』

ってことはわかった。
けど、なかなか体が浮上してくれない。

心の声 『死ぬかも』

まぢでそんな不安が頭の中を駆け巡る、、
やっと水面から顔を出すことができ息が吸えた!
すかさず目の前に見えたボートの上のリーダーに手を伸ばす!
けど、すぐに次の波にのまれ視界を失いザンベジ川をゴクゴク飲み込みながら体はまたボートからどんどん離れ流されていく!
ふと見ると別のボートのリーダーらしきオッサンが手を差し伸べてくれてる!

心の声 『もぉ誰でもいいから助けてー』

オッサンはヒョイと私のライフジャケットを掴み上げ、ボートの上に引き上げてくれた。

心の声 『た、た、た、助かったぁ(T_T)』

そのボートの客たち 「アーユーオーケー?」

私 「ぅうん(ボー然)。。」

濁流の中からメンバー全員をボートに戻した我が鬼リーダーがボートを横付けにして迎えにきてくれた。

リーダー 「こっちへ移れ!」

私 「はい(T_T)」

心の声 『戻れたよぉ。もぉ落ちたくないよぉぉ。』
一回落ちるとかなりの体力と気力を消耗する。

心の声 『もぉ、じゅうぶんごちそうさまなんですけどー』

しかし、ここはまだ半分の地点だった。
後戻りはできない。
やるしかない。
もぉ落ちたくない。
足をボートの端っこにひっかけめちゃめちゃ踏ん張る。
(終わった後、短パンだったKさんはすね毛が無くなったと言ってた。私もスネんとこがいくつかアザになってた。)

リーダー 「見ろ。あそこにクロコダイルがいるぞ。」

私 「いや、ご冗談でしょ。」

リーダー 「あそこで口あけてるぞ。」

私 「え?まぢ?!」

まさにラコステですか?ってポーズのワニいますね。すぐそこの川岸に〜(T_T)
(口を開けてるのは体温調節のためらしい)
まぢもぉ絶対、落ちたくない!やっぱ!

リーダー 「次のポイントはウォッシュマシーンのようなとこだ!どうだ、いっしょに行くか?!」

皆 「おー!」

リーダー 「こげー!」

私 「(T_T)」

ゴーゴゴゴ
ザブザブザブザブ、、、
バッシャーン!!!

リーダー 「△☆※□★ー!!」

皆 「ヒュー!!♪」

リーダー 「よぉし、次のはさっきのに比べるとチョコレートケーキみたいなもんだ」

私 「は?チョコレートケー、、、」

リーダー 「こげー!」

ゴー、、ザバーン!バッシャン!ザブザブザブ、、

リーダー 「△☆※□★ー!!」

皆 「ヒュー!!♪」

展開早過ぎてメンタル的にも体力的にもついてくのに精一杯。

リーダー 「お前ら、どこのホテルに泊まってるんだ?」

私 「エレファントヒルズホテルです」

リーダー 「そうか。こげー!」

ゴー、、ザバーン!バッシャン!バッシャン!バッシャン!ザブザブザブ、、、

リーダー 「△☆※□★ー!!」

皆 「ヒュー!!♪」

いやいや、ちょっと和む系の会話続くんぢゃなかったのー?
突然はじまるしー(>_<)

いつ終わるのかもわからないまま約19ポイントの激流を乗り越え、ザンベジ川ラフティングは終わった。
もぉ、足も手もガクガク状態。
普通に歩くのもままならない感じなのに、ボートを降りてからも、ビクトリアの滝が流れ落ちてる高さぶん、また崖を登らされる。これがまたハード。最後の最後まで超ハード。

崖を登りきったところでランチタイムなんだけど、息きれまくり状態ですぐには食えません!
けど、周りの欧米人たちは皆すぐにランチをとりに行ってウマそうに食ってる。

心の声 『やっぱ、基礎体力ちがーう!このヒトら』

ヘトヘト状態でなんとかランチをいただいてる間に、ビッショビショだった服もだいぶ乾いていた。
せっかく知り合った日本人男性Kさんと今晩の夕飯をいっしょに食べる約束をしてから帰りの車に乗り込む。
車で移動しながら、こんなに流されてたのかと、あらためて生還の喜びを噛みしめた。

ホテルでシャワーを浴びて一息ついてからKさんとの待ち合わせ場所へ向かった。
ピザ屋でピザ買ったりスーパーで飲めないビールとか色々買いだしして、Kさんの泊まってる宿の庭で乾杯した。
食べながら、お互いどんなとこ旅してきたか話に花が咲いた。
「ま、こんなとこ来るくらいだから、いろんなとこ行ってるんでしょうね」ってな感じで。
私もけっこういろんなとこ行ってる方かなと思ってたけど、Kさんには惨敗だった。
アフリカは、中央のビョーキになりそうなとこ以外はほとんど周ってきたらしい。
どこが良かったか尋ねると、レソト(アフリカの中で一番ちっちゃい国)が良かったって言うところがマニアックさを物語ってる。
他に南米もかなり周ってきたらしく、私がウィシュワイア(チリの先っぽで、南極行きのクルーズ船が出てる街)に行ってみたいと言うと、

Kさん 「ぼく南極も行ったことありますよ」

なぬー!!

私 「私も行きました!南極!昭和基地に!」

Kさん 「ガチぢゃないですかー!いや、なんで?どぉやって?」

教員派遣同行者として観測隊といっしょに行ってたことを説明すると、Kさんは「越冬してみたいんですよねー」と話していた。
ビックリ!!
こんなとこで、普通に一人旅で南極行ったことある人に出会えるなんて!
他にもKさんから、これから行きたいと考えているところも含め、色々ステキなところの話を聞くことができた。
まだまだ、地球にはステキなところがいっぱいいっぱいありそうだ!
次の旅に向け、また胸がふくらむ夜だった。