アイスランドひとり旅〜その2〜

AM7:25、予定通りピックアップの車がホテルへちゃんとやってきた。(なんて、まともな国!←気球に乗れなかった事件参照)

お迎えの小さなミニバンには先に、ヒトのよさげな四人家族と、ひとり旅風のマニアックそうな(ヒトのこといえないけど)男が乗っていた。
大きなバスセンターで降りドライバーからの説明を聞きながらやんわり理解、、、
ここで他のツアー会社がピックアップしてきた人達も一緒になって大型バスに乗り込むようだ。

今日のツアー内容は、、
まずバスでアイスランドの景観を愉しみながら1時間ほどレイキャビクからヘイマエイ島行きの船着場までドライブ→船に乗りヘイマエイ島へ移動→ヘイマエイ島内ツアー→飛行機でヘイマエイ島からレイキャビクまで移動…
というもの。
けっこう複雑なワリに、渡されたのは船の乗船チケットだけだし、説明はやんわりしか理解できてないし…ちょびっと不安。。
私が乗ってきたミニバンの6人は同じツアー会社のグループらしかった。ドライバーのにぃちゃんは、ヘイマエイ島に着いたらココへ行け的なことをメモった簡単な地図を一枚、我々6人の代表として四人家族のオカンに渡した。面倒見の良さげな明るいオカンは「まかせて!」とばかりに目線を私にも送ってくれた。にぃちゃんナイス人選!
マニアックそうな男は単独行動とりがちっぽいし、東洋顔の子(アタシ)はあんま理解してそうにないし、ま、必然的な人選だろう。。

ヘイマエイ島行きの大きな船に乗り込むと早速、ひとり旅風の男は先々どっかいっちゃうし、船内は他のツアー客でごった返してるし、、
ま、降りる時にあのオカンを探せばいっか…と考え、私も適当に景色の良さげな場所を探しにいった。

船からの眺めはステキだった。
たくさんの海鳥が船の周りを飛び交う姿を見ていると、南極へ行くまでのしらせ生活を思い出した。

到着前、オカンを見失わないよう早めに船の降り口へ向かった。たくさんの乗客の中からあの四人家族を見つけだしアイコンタクト!
ひとり旅風の男もちゃんと合流し、六人そろって地図の場所まで歩いて行った。
途中、オカンは
『ボートツアーは参加する?』
と私に聞いてくれた。
ボートツアーはオプションになっており、ヘイマエイ島到着後に料金を払って行きたい人だけ行ってね的なプランになっていた。
ボートツアーでは、陸からは観察できないような岸壁にある海鳥の巣を見せてくれるとあったので、なけなしの現金をボートツアーにつっこみ参加する気満々だった。

地図に書いてあったツアー案内所にたどり着き、ここでボートツアーの申し込みをするみたいだった。
オカンの後ろに続き無事に申し込み完了!ここで私の所持金はほとんどゼロとなった。
案内所前のボートに乗り込み、ボートは海鳥だらけの岸壁を目指す。
とんでもない崖っぷちにいっぱい巣が見える。

↑こんな崖っぷちに巣がある

しかし、パフィンはまだいない…。ちゃんとテリトリーがあって住み分けしてるようだ。

海面を見ていると、不器用そうにせわしなくバタバタと飛んでるコを発見!
きっとパフィンだ!!

他の海鳥が優雅にスーっと飛んでいるのに対し、パフィンの飛び方は小物感いっぱい。

↑左がパフィン
小刻みにせわしなく羽をバタつかせて飛ぶ飛び方でパフィンだとわかる私もマニアック。。
他のツアー客達が見てない海面の方へカメラを向け連写しまくる。
そうこうしてると、ボートを運転してる無愛想な海の男風おっちゃんが「もうすぐパフィンの巣がある崖だ」っぽいことを説明してくれた。
崖の方へ望遠レンズを向けてみると、、

めーーーっちゃおるやん!パフィン‼パフィン‼パフィン‼
すんごい数のパフィンに大興奮!


海風が超寒かったけど、ボートツアー、申し込んで大正解!
カイロで手をあたためるが、冷えきった指先はなかなか温もらない。。
なのに、無愛想な海の男風おっちゃんは普通に半袖!
ワイルド過ぎやろ。。

↑周りの客がバッチリ防寒着きてる中、海の男は半袖!

ボートツアーが終わってからは各自でランチタイムをとるようだった。
面倒見の良さげな四人家族のオカンは、私に午後からの島内ツアー集合時間をちゃんと確認してくれた後、レストランへと向かっていった。ひとり旅風の男はさっさとフリータイムに突入しすでに消えていた。
私は集合場所近くのベンチに座り、昼ごはんとして持参していた非常用ストックおやつ(ANAでおつまみとして出てきたおかき、ルフトハンザで出てきたナッツ、ロシアの宿で朝食時についてきたチョコ菓子。)をちょびちょび食べた。
日差しは暖かいものの、北緯66度のアイスランドはやはり風が冷たい。しかし、冷えた手をあたためるコーヒーを買う現金もない。
ロシアのスリ犯が恨まれる。。

午後からのツアーは小さなバスで島内を巡るもの。
この島は1973年の噴火で島内の家が全滅したという北のポンペイと呼ばれるところ。興味深い景観が広がる。


↑ゾウが水飲んでるみたいw

バスはパフィンの巣がある崖っぷちの近くで止まり、ドライバーのおばちゃんが徒歩で観察小屋まで案内してくれる。
そして、おばちゃんは
『パフィンはいま食事みたいね、海の上にいるわ。』
と説明(たぶん)、、
すぐ近くの崖にいる様子は見れなかったものの、崖っぷちの巣付近を飛び回るパフィンや海面にプカプカと浮かんでる大量のパフィンを見ることができた。

↑ぜ〜んぶパフィン

いつまでもカシャカシャとシャッターをきりまくってる私におばちゃんは、
『そろそろ行くけど、いいかしら?』
気がつくと周りにいた客達はすでにバスに戻る道を歩いていた。
夢中になり過ぎな私に歩きながらおばちゃんは、

お 『どこから来たの?』
私 『日本から。パフィンが好きで』
お 『それなら、アクアリウムへ行くといいわ』
私 『ふーん、、』
お 『後で教えてあげるわ』

うーん、、、お金ないんだけど…
タダ?とは聞けず、その場をやり過ごす。

ツアーも終わり、また自由時間になった。おばちゃんは私にアクアリウムの場所を一生懸命教えてくれた。こうなったら行くしかないよね。。

たどり着いたアクアリウムの入り口には案の定10クローネと書いてあった。
ユーロならちょっとは所持していたので、ユーロで払えるか聞いてみようと中へはいる。
すると、入り口の手前でやたらリアルなパフィン人形を手に持ってる男がいた。

えー、、かわい〜。。

…、て、
ん?
動いてませんか?このパフィン?!!

なんと、男の手のひらにチョコンと乗っかってるのはホンモノの生きたパフィンちゃんだった!
カメラの赤い光を嫌そうに、ただでさえコマッタ顔の目をつむり余計にキュンとくるブサイク顔!!

まさかの生パフィンに大興奮!

巣から飛び立つパフィンのヒナは、夜の月明かりを頼りに巣立っていくらしい。しかし、街の明かりが多くなったことで、海ではなく道路などに飛来してしまい車にひかれる事故が多くなっているという。そういったヒナを保護し、海など安全な場所へ放つ活動が島の子供達を中心として行なわれているらしかった。
そうやって保護されたヒナの一羽だったのか?よくわかんないけど、生パフィンに触れるなんて思ってもみなかったチャンス!!
パフィンを持ってた男は私にパフィンをパス!どうやら男もアクアリウムにやってきたただの客だったよう。。
私の手のひらの中で、あったかいパフィンちゃんがコマッタ顔でたたずんでる、、、

ちょーー、可愛い♡
けど、なんか中腰になってソワソワしてる。めっちゃ降りたそう…。。

どうしたらいいの?
どうしたらいいの?

アクアリウムのおばちゃんは机の上に降ろしてあげてっぽいジェスチャーしてる。
降ろしてあげると、パフィンちゃんはパタパタと歩きだし、その直後、お尻をちょこっと上にあげてビューーっと勢いよくウンチした。

そっか、それでソワソワしてたのね。。
手のひらでしないとこがお行儀いいよね〜。。

↑自分のウンチを拭いてる紙を気にするパフィンちゃん


↑ちょっかいだすと指に噛みついてくるパフィンちゃん

アクアリウムにも入らず、バシバシとパフィンちゃん撮影に夢中な私。。
これでアクアリウム入りません…とは言いにくく、そして、ユーロはお釣りがないからダメと言われ、結局ATMの場所を教えてもらいキャッシュカードで現金を降ろしに行くことにした。
ま、こんだけ生パフィン愉しんぢゃえたワケだし、安いもんだよねーと、昼ごはんさえケチってた自分に言い聞かせる。

自由時間も終わり、最後に飛行場まで送迎してくれるバスを運転してきたのは、アクアリウムのことを教えてくれたあのおばちゃんだった。

お 『どうだった?』
私 『めっちゃよかった〜(満面の笑み)』
お 『でしょー!(^_−)−☆』

ありがとう、おばちゃん!
ほんと行ってよかったよ、アクアリウム!

小さな島の小さな飛行場へはすぐ着いた。しかし、飛行機のチケットなんてもらった記憶も何もない。
四人家族のオカンやひとり旅風の男も、誰もチケットもらってないよね…って感じの顔してる。
しょうがなく、ひとり旅風の男が先にカウンターに聞きに行ってくれた。

なんかレシートみたいな紙きれを持って帰ってきた男は『名前を言ったらいいだけみたいだよ。こんな簡単なチェックイン初めてだよ。』と苦笑い。
なーんか、最後の最後になって、このおっさんもイイやつそう。。

↑チケットはレシートみたいな紙きれ

乗り込んだのは8列しかシートのない小さな飛行機。20分もしないうちにレイキャビク空港へ到着した。

ほぼ丸2日間だけのアイスランドだったけど、目的は達成できたし、なにより生パフィンに触れることもできたし♪

また、きっと来るような気がするよ、アイスランド!