東の北極〜その2〜

眠ること数時間。
興奮気味だったためか、7時過ぎには目が覚めた。

10時にならないとミュージアムやショッピングセンターはオープンしない・・・。
ゆっくり準備し朝食を食べ、9時頃から町歩きを開始した。
すべてが物珍しく、写真を撮りまくった!
けど、パッと見は、超さびれたスキー観光地としか思えない雰囲気。
朝は曇っていたせいもあり、ここ世界最北の町ですー!ってゆう感動の目で見ないと、なかなか絵になりにくい風景。

↓ロングイヤービエンのメインストリート

↓街のあちこちにシロクマの剥製がある。なんせココでは、住人の数よりクマの数の方が多いらしい。

今日は14時から氷河の先端&海鳥の住む岸壁をボートに乗って見に行くツアーを予約していた。
準備も含め13時頃にはホテルへ戻ろうと思いながら町散策をしてみたが、まったく余裕のスケジュール。
逆にもっと時間があったらもてあましてたかもしれない…。

ボートツアーは日本からネットでクリック予約したもの。
ホントにちゃんと迎えに来てくれるのか不安に思いながら待っていると、
それっぽいにーちゃんが迎えに来てくれた。
なんてスムーズ、今回は。

意外とながい説明(英語)を聞かされ、やんわり理解しながらボートへ乗り込む。
ボートは海の上を爆走!!
超たのしー!!!
海風が超つめたかったけど、超ゴキゲンだった♪
海鳥がいたりするところではボートを止めてフォトタイムをとってくれる。
私が見たかったパフィンという超マヌケ顔の子もちゃんといた。
パフィンの存在を知ったのはアイスランドへ行った時のこと。土産物屋に売っている超かわいくないぬいぐるみやグッズを見て、なんだこの変ガオの鳥は?って気になっていた。
そのパフィンが見られるということで、めっちゃ楽しみにしていたのだ。
さっそく止めてくれたボートの上から、魚をほおばるパフィンを激写!

こんなにくわえて、なに不満な顔してんのー?って言いたくなるコマッタ顔!
飛び方も超へたくそで、水面の上をじたばたと暴れるように飛び立っていく。

水面から飛び立つ時には横波に足をとられてつまづいたり(笑)。鳥とは思えないくらい超ダサいふるまい。
ダメそうな顔とそのダサダサさにもうメロメロ。愛くるしくってバチバチ写真を撮りまくってしまった。

氷河の先端でしばらくボートを止め、押し出された氷の先端が崩れ落ちる瞬間も見せてくれた。

「ドォーン」といった深重い音のする方向を見ると、すごい水しぶきが上がっていた!迫力満点!
気づいたらもう崩れてるってゆうタイミングなので、瞬間をかっこよく写真に納めるのはなかなか難しい…。

夕食は、素晴らしい氷河地形の断崖絶壁を見上げる岸辺に上陸し、お湯をかけて作るドライフードをいただいた。なかなかの美味。
なにより風景が素晴らしい。
素晴らしい景色を見ながら食べるインスタントのドライフードは、この旅で最高に贅沢な夕食だったかもしれない。

だんだんと晴れ間も見られるようになり、
キレイな夕日に照らされキラキラと輝く海の上をボートは爆走!
ボートのすぐ横を鳥たちが同じくらいの速さで飛び交う様子を愉しんだり、近づいてくるボートにビビり鈍くさそうに飛び立とうとするパフィンに笑わされながら、ボートはロングイヤービエンの港へ戻ってきた。
宿に帰ってきたのは夜の8時半ころだった。

ロングイヤービエン空港発のフライトは早朝4時50分。
フライトにあわせた空港バスがホテル前を出るのは午前3時だった。
寝るにも中途半端だし、キレイな太陽もせっかく出ている。
せっかく来た最北の町を堪能しようと宿を再出発♪

↓町にはかわいい色のお家たちが並ぶ

誰かのブログから仕入れたロングイヤービエン情報によると、
「この町はどこまでも歩いて行ける…」とのこと。
「危険なので歩くことはすすめない」と『地球の歩き方・東アフリカ』に書いてあったナイロビの街とは大違い。
空港までは約3km。その空港近くにあるシードバンクという建物が見てみたかった。
世界中の植物の種を保管している施設らしく、その種が絶滅しそうになったときのために、永久凍土の中に続く建物内で種を保管しているという。まさに“種の銀行”だ。
ガイドブックもないので場所はGoogleEarthで調べ、空港のすぐ近くにあるというざっくりとした情報だけは認識していた。
空港到着時、GooglEearthで見たとおりの場所に、ちゃんとそれらしき建物が見えていることも確認していた。

町から空港まで3kmってことは、空港から見えてたシードバンクも1時間弱歩けばたどりつけるはずと考え、ひたすら何にもない海沿いの道を空港へ向かって歩き続けた。

気温は0℃くらいだったかもしれない。顔に当たる風が冷たく、昭和で夜によく夕焼け空を見に行った時のことを思い出しながら歩いた。
途中、海の上をヒラヒラと蝶蝶のように優雅に飛んでいるキョクアジサシに見とれながら、飽きることなく歩き続けた。

かよわい飛び方してるけど、このコ、、
なんと南極&北極間を渡っちゃう渡り鳥!かなりのツワモノ。
飛ぶことを愉しんでいるかのように、何度も海面に向かってダイブしながら、ヒラヒラ…ヒラヒラ…と飛び続けてる。
ちょっと休んだら?ものすごい距離飛んでるんだよねアンタ!って言いたくなる。
地球の果てから果てまで飛び回ってるそのコに親近感を抱きつつ、何度も何度もファインダーを向けた。

海沿いを歩き続けること約40分、山の方にシードバンクっぽい建物が見えてきた。海沿いから山の方へ向かう別れ道も見えてきた。
超わかりやすい!
迷うことなく山へ向かって登り始める。
くねくねした道を上っていくと、遠くまで広がる美しいスバールバルの氷河地形が見えてくる。夜の23時前、女ひとりでニヤニヤしながら山登り。かなりのキモさ。

いよいよシードバンクっぽい建物がすぐそばに見えてきたと思うと、、、
その前に!
ムシャムシャと草をほおばり続ける3頭のエルクに遭遇!!

まじー?!?!
ほんとにいるんだ〜。。。

バチバチと写真を撮っていても、いっさいこっちを気にすることなく無心に草をほおばりつづけるエルク・・・。
そこへ、山の向こう側からライフル銃を背中に背負った地元っぽい?おばちゃんが普通に歩いて行った。
ほんとにでるのか?!北極熊もー!?
丸腰の自分に突然不安を感じ始める。
とりあえず、急いでシードバンクとエルクの写真を撮りまくり、下山した。

↓これがシードバンク

行ってみてよかったなー♪と思いながら、チラチラとエルクくん達を振り返りつつ帰り道を急いだ。
宿へたどり着くころには、真北から差す真夜中の太陽がまぶしかった。