かわいそうなコ、ロシア警察へ行く

トラブル@ロシア続編、、、

領事館のにぃちゃんから、生徒に対してよくしている気もする抱き合わせ説教(←反省)をたっぷりと受け、スリにあったこと以上の疲労感でくじけそうになりながらも、なんとか宿へたどりつく。

時計を見ると、もう夕方4時を過ぎていた。くよくよしている暇はない。
宿のフリーWi-Fiにつなぎネットで「被害届 ロシア」を検索。
すると「警察への被害届用フォーマット」なるものを発見!
PDFファイルをプリントアウトしてもらおうと、宿のおばちゃんに頼みに行く。
完全ロシア語オンリー超癒し系のおばちゃんは快く、フロントのPCにつないであるプリンターからのUSBケーブルを抜きとり私に手渡してくれた。
ドライバー認識はしたものの何度かプリントアウトを試みるが上手くいかず、白紙の用紙がうるさい音と共に何度も出てくる。
その度におばちゃんは首をかしげながら紙をトントンして入れ直し、何とかしてあげようと協力的(涙)
すると、今までの異音と違うスムーズなインクジェット音が聞こえだした!
プリンターから少しずつ出てくる紙を確認しながらおばちゃんは人差し指を立てておち ゃめにウィンク!

お 『これでいいかしら?』←たぶん(ロシア語)
私 『スパシーバ!』(ロシア語の「ありがとう」)

部屋に戻って細かなチェック項目を記入していく。

被害に遭った場所や犯人を見たかどうか、裁判になった場合は出廷できるか等… (できるか〜!)

チェック項目の質問事項は日本語とロシア語両方で表記されており、これなら指さしで警察にも説明できそう♪
用紙の裏には、「地球の歩き方」に載っていたトラブル時のロシア語例文、、、

『スリに遭ったのですが、保険に使うための被害証明を書いて下さい』

を丁寧にメモした。(ドンピシャすぎな例文…すごいな「地球の歩き方」!)
準備が整ったのが夕方5時前。
しかし、まだまだ日が落ちる気配はなく、幸い警察署の場所もホテルから歩いて行ける距離だった。

ぜったいゲットしてやるぞ!
みてろ、にぃちゃん!

宿のおばちゃんに、お出かけ時のいつもの挨拶を交わし出発する。

お&私 『パカパカ〜(^_−)』←ロシア語で「じゃ、またね」

もらった地図とGoogleマップを駆使し、なんなく警察署にたどりついた!
地味な入り口のドアをあけ、薄暗い建物内に入ると受付みたいな所があり、ガラス越しに警察のおっちゃんが座っているが、そのおっちゃんはひたすら携帯電話でしゃべってる。
人が来たことなど全く無視して軽く10分以上はそのまましゃべり続けた。(噂通りの放置プレー)

電話をやっと切ったおっちゃんにすかさずドンピシャ例文メモを見せた。
被害届用フォーマット用紙に目を通したおっちゃんは、

お  『★△○%□&#$』(ロシア語)
私  『は?』
お  『You Speak English?』

と、ここでいつもなら『ア、リトル』なーんて、控えめに答えるとこだけど今日は強気!

私  『Yes!』

お  『15分待て』
私  『ここで?』
お 『そうだ』

おー、きっと15分なわけないね〜、
いーよいーよ、待つよ!なんぼでも!
案の定、放置プレーはしばらく続いた。

しかし負けずに、時々おっちゃんの方をチラ見して、可哀想な子顔のなんとかしてくれ目線でアピール!
おっちゃんは忙しそうに電話したりウロウロしたり。。
受付を別のおっさんと交代し外へ出て行こうとしたので、すかさずウル目の超困った顔でアピール!
おっちゃんは『あと五分待て』といいながら外へ。

五分なわけないよねー。
いーよいーよ、、
待つよー!

しばらくすると、おっちゃんは背の高いシュっとしたにぃちゃんを連れて戻ってきた!
そして、こいつについていけ的な感じで、そのシュっとしたにぃちゃんを指さした。

ぜんぜん警察官っぽくないんすけど、だいじょうぶ??
ま、いっか。

男前だし。

Tシャツ&ジーンズで身長190くらいありそうなモデル風のそのにぃちゃんに連れられ二階に上がる。二階には取り調べ室っぽい小部屋がいっぱい。
その一室で男前のにぃちゃんは自分のパソコンの電源を入れながら席についた。
男前に被害届用フォーマット用紙を渡すと、読みながらパソコンをいじり、画面を見ろとジェスチャーしてきた。画面を見てみると、なんと
Google翻訳!

すげ〜、、これで事情聴取すんの?(笑)
ある程度の情報はフォーマット用紙に書いてきたし、通訳なんてなくても、ザ★イマドキGoogle翻訳でなんとかなりそう♥

しかし、この警察署のWi-Fiが遅すぎる…。。
かたまりまくりのGoogle翻訳を待つ間、男前はWordのファイルを立ち上げた。
ロシア語でぜんぜんわかんないけど、名前っぽい箇所を消し、私の名前を入力しているようだ。どうやら雛形文書があってそれを書き換えていくみたい。

男前 『チズコ、、僕はマキシム。よろしく(^_−)』
私  『たのむで、マキシム〜!』

マキシムは、被害届用フォーマット用紙を読みながら職業欄をみて、、

マ  『おぉ、先生してんの?』
私  『そーだよ。サイエンスティーチャーだよ。』
マ  『へぇ〜。。』

なにこれ、、、思ってた恐ろしい事情聴取と
ぜんぜんちがーう♥
時々わからないトコはGoogle翻訳が威力を発揮する…

マ [財布の色]←Google翻訳画面
私 『黒だよー。マキシムの着てるTシャツの色だよー。(マキシムのTシャツを指さす)』
マ [となりにいるのは夫?]
私 『そーだよー。』(なんに関係あんの??)

こんなやりとりをしたり、被害届用フォーマット用紙を読んだりしながら、Wordの文書が書き換えられていった。
時々かたまるGoogle翻訳を待つ間、「地球の歩き方」に書いてある旅のトラブル例文集を見て大ウケのマキシム。同僚の警察官にも見せて笑ってる。

私 『もお、ええから、はよして〜、、マキシム〜!!』
マ 『はいはい。。こっちの用紙にも事情を手書きするからね、ちょっと待ってね。』
私 『あとひといきやん!がんばってー、マキシム〜!』

出来上がったWord文書を上書き保存し、USBにファイルコピー完了!
立ち上がったマキシムは、こっちだよと、さっきの受付の階に案内してくれた。

マ 『ここで待ってて。』
私 『うん!』

マキシムが入っていった部屋の中ではガシャンガシャン!とハンコを押す音が聞こえてきた。
しばらくして出てきたマキシムの手には、ポリス印の押されたさっきのWord文書用紙♡

私 『スパシーバ(ロシア語のありがとう)!マキシム♡』
マ 『(^_−)』

マキシムと握手を交わし、、
見事!被害証明をゲット♡

プリントアウトを親切に手伝ってくれた宿のおばちゃん、無愛想だったけどなんとか取り合ってくれた受付のおっちゃん、男前のマキシム、、

みんなええ人やん。。

お金はとられたけど、それは自分の不注意(納得)。
その他では親切にしてくれたロシア人もいっぱいいた。悪い人ばっかじゃない。
イヤな思いは確かにしたけど、トータルするとオモシロかった。
ロシア警察にいくことなんて、普通じゃありえない経験だし。。

翌日、財布の入ってないカバンを持っての街歩きはめちゃくちゃ気楽でたのしかった。
だってもう取られるもんないんだも〜ん
完全ヒモ生活♡

すっかり立ち直り、夜の街も散策しに行った。←領事館のにぃちゃんに言わせると自殺行為だろう(笑)
昨日見た昼間の様子とはまた違った美しさ!気分的にも、昨日より冷静にその美しさを味わえた。

食べ物は美味しいし、

↑ボルシチもペリメニ(水餃子)もイクラクレープも美味い!

ロシア文字へんてこでオモシロいし、

↑マクドナルドも変な感じw

地下鉄やたらと深いし、

↑軽く三分くらいエスカレーターに乗り続ける

いい人いっぱいいるし。。

やっぱ好きかも♥ロシア