かわいそうなコ、ナミビア警察へ行くの巻

悲劇の生還から一夜明け、450°回転の検証を朝食のバターでやってみた。

机のガラス板の下にディスプレーとして砂が入っているあたり妙にリアリティーがでてる。
進行方向とは完全な逆向きに車が向き、横向きに止まっていたことから、時計回りに一回転と四分の一回転したことが判明。
感覚的には二回転くらいしたかと思った。

朝9時半に昨日のレンタカー屋のオッサンが迎えに来てくれた。
早速レンタカー屋のオフィスへ向かう。
なんか書類は書いたけど、こっからはポリスレコード(事故証明)がないと進められないと言われる。

でた!ポリスレコード!
(『かわいそうなコ、ロシア警察へ行く』参照)

またか。

レンタカー屋のオッサンが車種や事故の場所など最低限のことを紙に書いてくれた。
そのメモを持って、近くの警察へ車で連れて行ってもらう。

↑ロシア警察より全然シュっとしたきれいな建物

オッサン  「ここでポリスレコード書いてもらって、オフィスに戻ってきたらオッケーだ!」

私  「はーい」

こんだけメモもあるし、いちおうポリスレコードが欲しくて来た的な説明まではオッサンがしてくれてたので、ロシア警察でいちから自力でポリスレコードをゲットした時に比べると楽勝に思えた。

順番待ちの間にレンタカー屋のオッサンも立ち去っていき、我々だけで警察のおばちゃんとのやりとりが始まった。

おばちゃんポリス  「事故したのはどの辺り?」

私 「C26って道をソリティア方面に走ってった、この辺」

iPhoneでグーグルマップを示し説明した。

おばちゃんポリス  「あぁ、、この辺はウチの管轄ぢゃないわ」

私  「は?」

おばちゃんポリス  「カトゥトゥナポリスに行ってくれる?」

私  「は?カトゥトゥ・・?ん?」

おばちゃんポリスに綴りを書いてもらってグーグルマップで調べるとカトゥトゥナポリスがちゃんと出てきた。(グーグルマップすげぇ!) 隣町のポリスっぽかった。
しゃーなし、タクシーでカトゥトゥナポリスを目指すことに。

タクシーを拾おうと色んなタクシー見るんだけど、だいたい助手席に客なのかなんなのかわかんない誰か乗ってる。
そして、やたらと何処に行きたいのか聞いてくる。
心の声 『なんなん?コワいなぁ〜』
4台目くらいで声をかけてきた車の後部座席には若い女の子が乗っていて、運転手のにいちゃんもそんなコワモテでもなかったので、勇気を出してカトゥトゥナポリスに行きたいと言ってみた。

にいちゃん  「オーライ!乗りな!」

私 「え?まぢ?!」

ところで、この女の子誰?
ナゾなまま、車を少し走らせたところでナゾの女の子は降りて行った。
そして、何事もなかったかのようにカトゥトゥナポリスへ向けて車は進んで行った。
車内で「地球の歩き方」をよく読んでみると、この辺は交通事情が整っていないため、タクシー移動が基本らしく、乗り合いが当たり前なようだった。どうりで、ヒト乗せたタクシーがやたらと声かけてきたわけだ。
しかも、料金は100円くらい。めっちゃ使いやすい価格。
ヘンなとこ連れて行かれてカツアゲされることもなく簡単にカトゥトゥナポリスへ到着した。

何故かカトゥトゥナポリスは大繁盛中。めちゃくちゃ混み合っていた。
入り口に立ってたおばちゃんポリスにポリスレコードをもらいに来たと告げる。

おばちゃんポリス 「いつ?どこで事故したの?」

メモを示したりグーグルマップ示したりしながら、さっきと同じように説明してんのに、、

おばちゃんポリス 「話になんないわ!こんなコミュニケーション能力で!どこのレンタカー屋なの?!電話しなさい!」

いっさいカタコトコミュニケーションに協力しようという気の無いおばちゃんポリスはかなりキレ気味。
しゃーなし、携帯でレンタカー屋に電話すると、おばちゃんポリスは携帯を取り上げレンタカー屋に説教を始めた。

おばちゃんポリス 「こんなコミュニケーション能力ない外人だけよこすんぢゃないわよ!あんたたち迎えに来なさい!」

的な感じで怒ってる。

ややこしいことになってきた。

この時点でもぉとっくに昼も過ぎており、さっさと手続き終わらせて砂漠近くの街まで300kmほど移動したかったのに、そんな時間もなくなってきた。
レンタカー屋の迎えを待つ間、今日の移動は不可能と判断し、今晩予約していたホテルに電話して予約を明日に変更してもらうことにした。

ひたすら混んでるカトゥトゥナポリス。
おばちゃんポリスはワケわかんない東洋人に付き合ってらんない的な感じでどっか奥に引っ込み、かわりに若いにいちゃんポリスが入り口のとこにやってきた。
ロシア警察のマキシム風(『かわいそうな子ロシア警察へ行く』参照)な男前のにいちゃんポリスは、ずーっと待ちぼうけの悲惨な東洋人に話しかけてきた。

にいちゃんポリス 「どうしたんだ?」

私 「レンタカーがブロークンしてポリスレコードをもらいに来た」

にいちゃんポリス 「ケガなかったの?」

私 「うん。ぜんぜん大丈夫やった。車はこーんなローリングしてたけどね。(手でグルングルン・・・)」

にいちゃんポリス 「それはラッキーだったな」

私 「こんなことになっててん」

iPhoneで撮りまくってたあのオモロい写真を見せた。

にいちゃんポリス 「おぉ、、」

かなり興味深げ。
どんどん写真スクロールしてって見てる。

にいちゃんポリス 「このiPhoneとオレの携帯かえっこしようぜ」

私 「は?」

にいちゃんポリスはiPhoneが気に入ったようだった。

私 「あかんにきまっとるやろっ!」

にいちゃんポリス 「いや、冗談、じょーだん。」

なんかこの人しゃべりやすい。
せっかくだから今朝、バターを使って検証した動画も見せてあげた。

私 「こんなイメージで事故ってん」

にいちゃんポリス 「もう一回見せて」

私 「いいよ」

にいちゃんポリス 「(苦笑)」

にいちゃんポリス 「ところで日本のお金ってどんなんだ?見たい。」

私 「いいよ。」

ま、警察だし、そのまま持って逃げることもないだろう。
財布に入ってた五千円札を渡した。

にいちゃんポリス 「へぇー、、」

見たこともないだろう日本のお札を興味深げに観察し、ちゃんと返却してくれた。

にいちゃんポリス 「おまえらポリスレコードが欲しいんだよな。」

私 「え?書いてくれんの?」

にいちゃんポリス 「待ってな」

まぢー?!!!

このにいちゃんポリスなら、カタコトコミュニケーションでも話くみとりながら書いてくれそー!
中からにいちゃんポリスがポリスレコードの紙を持ってきた。

やったー!!!

にいちゃんポリス 「もうちょっと待って」

いいよ、待つ待つ!ロシア警察よりずっと展開はやいし!マシマシ!(『かわいそうな子ロシア警察へ行く』参照)
しかし、奥には、あのキレ気味おばちゃんポリスが座ってる。
そうこうしてるうちにレンタカー屋のオッサンが迎えに来た。
オッサンは奥のおばちゃんポリスんとこに行き、いきなり説教されてる感じだった。
おばちゃんポリスに散々しかられ肩をすくめたレンタカー屋のデッカいオッサンは我々を車に乗せオフィスへと向かった。

おしかった!

最初から、あのにいちゃんポリスに話聞いてもらえたらポリスレコードGETできそうだったのに(>_<)
なくなくレンタカー屋のオフィスに戻ってきてから、レンタカー屋のオッサンは、ひたすら日本語を喋れる人間探しをしてくれてるようだった。電話帳開いてJapaneseの項目を手当たり次第に電話してくれてるカンジ。

オッサン 「チャイニーズレストランはあるんだけどな。」

いやいや、チャイニーズ入っても余計にややこしいわっ!
レンタカー屋オフィスの奥に座ってたねーちゃんが出てきて、ちょっとキレ気味にこう言った。

ねーちゃん 「あんたら英語もできないんだったらエンバシーに行ってなんとかしてもらいなさいよ!」

私 「は?エンバシー?」

グーグル辞書で調べ、エンバシー=大使館ってことを認識。
地球の歩き方見ても大使館の場所なんて載ってないし、検索してみても、ナミビアには日本領事館はないとか書いてるし、、
けどオッサンはメチャクチャ頑張ってエンバシー探してくれてる。
そうこうしてるうちにオッサンは、我々にウィンクし、

オッサン 「日本大使館にアポとったから一緒に行こう。」

私 「まぢ?あったん?エンバシー

オッサン 「かもーん」

意外にもレンタカー屋のオフィスから車ですぐいったところに、日本国旗はためくメチャメチャ綺麗な洋館がそびえたってた。
新しっ!
入念なセキュリティチェックを通過し中で待ってる間、よくよく検索して調べてみると、ナミビア日本大使館はつい最近できたばっかりだったよう。ある意味、すんげーナイスタイミング

中から日本人男性と日本人女性が出てきてくれた。
事情を話し、女性の方が一緒にツアリスト向けのトラブルに対応している警察へ行ってくれることになった。

ほんますんません(汗)。。

オーラ全開のその女性リツコさんは、端的に事情をポリスに話し、すんなりポリスレコードGET!

スムーズ過ぎる。。

ただ単に英語が出来るってだけじゃない、ただ者ではない感たっぷりのリツコさんは、せっかくこんなとこまで来たのにまだ観光ゼロ状態の我々を気遣い、色々とオススメな観光スポットを教えてくれた。
我々がまず向かおうとしていた赤い砂漠の広がる街よりも、海沿いにある砂漠の方が道もいいし手軽であることや、砂漠と海が両方見れる景色でリツコさんとしてはそっちの方がオススメであることなど。。

私 「またレンタカー借り直して、行くことって無謀ですかね?」

リツコさん 「ま、止めはしないけど、ほんと気をつけてね。」

なんのアドバイスをくれることもなく、わかっとるわ的な説教だけしてきたロシア領事館のオッサン(『トラブル@ロシア』参照)とは大違い! なんてステキなリツコさん(T_T)
リツコさんのおかげですんなりポリスレコードもゲットでき、レンタカー屋にポリスレコードを渡して、やっと我々は解放された。
いくら払うはめになるのかは保険がどう適用されるかわかんないため、後日になるみたいだった。
法定速度を守ってなくて保険がいっさい適応されず数百万円払わされた日本人がいた話なども大使館で聞いた。
けど、ここでずっと待ってても時間がもったいないだけだ。
せっかく来たんだから、やっぱ赤い砂漠見に行こう!
開き直りに近い超ポジティブ思考回路全開!
レンタカー屋とポリスたらい回し、時々、日本大使館な1日がやっと終わっていった。