初日の出

一昨日、昭和基地では初日の出が見られたみたい。
2013年が始まってから、ず〜っと出っぱなしだった太陽がちょっとだけ沈む季節になったということ。沈むといってもわずか1時間ほどの日没なので、真っ暗には全然ならない。
そういえば去年は、授業準備のため部屋でバリバリお菓子を食べながら睡魔と戦い、窓の外に昭和の初日の出を見たなぁ…。

一昨日やっと沈んだこの太陽くんは、去年の11月21日からずっと昭和基地の周りをクルクルクルクル回り続けた。
南極観測のHP『昭和基地NOW!』にあった2012年11月21日の気象情報はこんなカンジ

日の入「−」って!

地軸が傾いているせいで、白夜や極夜のある地域が存在することは理科で習うはず…。だけど、大多数の人間は“日没が無い”という気象情報に違和感を感じる地域に住んでいる。知っていても理解しがたい、不思議な現象ではないだろうか。

今年、私が勤める学校の中学入試問題には、昭和基地で見た月のことをネタとして出題してみた。

北半球で見る月は、時間が経つにつれて右側へ移動していく。
ずぅっと月を眺めている時間なんてなかなか無いのが現実だけど、
「あれ、、、さっきこんなトコにあったのに、こんなトコにきてる」
ってなカンジで、月を見る機会があったら思い出してみてほしい。

昭和基地で見る月は、時間が経つにつれて左側へ移動していく。太陽もそう。
これは、北半球に住み慣れた人間にとって、かなり奇妙な出来事だ。

回転するタイプの椅子に座り、反時計回り(左回り)に回ってみると、景色は右手側へ移動して見えるハズ。これが、反時計回りに回っている地球の北半球に住む人がみる天体の動き。。。
昭和基地では?というと、、、
この椅子に逆立ちして、椅子を誰かに反時計回り(左回り)に回してもらいながら確かめてみるといい(笑)←かなりの難易度だがw。
きっと、景色は自分の左手側へ移動して見えるハズだ。。。

問題の正答率はかなり低かった。

オシイ解答として多かったのは、「東から西へ移動するのではなく、西から東へ移動する」というもの。オシイ。。逆に動いてるってコトには気づいてくれたみたいだけど、東西は変わらない。
バカボンのパパ以外、この地球に住んでいる限り、どこの誰にとっても、東からのぼったお日さまは西へ沈む。

自分の周りにある“あたりまえ”は、ごくごく狭い世界の事象に過ぎない。
特に小学生の世界感となれば、まだまだ限られた小さなものだろう…。
地球上には、まだまだ自分の知らない不思議な場所がたくさんありそうだということだけでも感じてほしい。
この問題が解けた子も解けなかった子も、南極って不思議なトコだな…って印象くらいは持ってくれていたら…作成者として幸い。

右側が光っている半月の写真を見て、その時の太陽の居場所を問う問題では、もちろん光っている側に太陽があるという考えを期待したが、思った以上に正答率は悪かった。
「月は太陽に照らされて光っている」というコトは習って知っているはずだけど、その知識が、実際に半分だけ光った月を見てもリンクしてはいないのだろう。
暗記だけに留まった知識では、もったいない。ほんっと、オシイ!!

今、私がしている授業も、単なる知識の押しつけや暗記の強要に留まってはいないだろうか…。かなりアヤシイ(汗…)。
わかるトコまでいくと、理科ってほんと愉しいんだけどなぁ・・・。
うぅ〜ん、、、ガンバラナクテハ!

そうそう、、
ドーム隊は今日、ドームふじ基地を出発したみたいだ。
また雪上車での長旅、たいへんだろうな。。ガンバッテ!!