いってらっしゃーーーーい

昨日、クラブが終わってから職員室のPCを開き、ふと昭和基地のwebカメラを見ると、美しい氷山を望む風景の中に珍しく人が集まっている様子が見えた。
おぉ!昭和人だ!(笑)
しかも、いっぱい!

そういえば、ドームふじ基地へ天文観測のための望遠鏡を設置しに行くドーム隊4名の出発がそろそろだったはず!
昭和基地のwebカメラは数分おきに静止画が更新されるようになっており、よく見ていないと変化がわかりづらいのだが、こまめに画像を保存しながら後で見ると、まるでパラパラマンガみたいに動くちっちゃな昭和人達の、なんとなく別れを惜しんでいる様子が見てとれた。

53次隊が日本を出発したのはちょうど去年の今頃。昭和基地に到着できたのがクリスマス前だった。そして、越冬隊の皆さんは、我々夏隊が昭和基地を離れた2月以降もずっと昭和基地を守り続け、31人という限られた人数でここまで共に暮らしてきたわけだ。
越冬する仲間同士は家族みたいな関係になると聞いたことがある。
そうだろうな…、夏の間だけでも昭和の生活は本当に密度が濃く、しんどいけれど楽しい生活だった。仲間との絆が自然と芽生える生活だった。

そんなかけがえのない31人の中からドームふじ基地へ出発する4名、送り出す仲間達・・・
webカメラ画面の中のミニ昭和人達は、ひとりひとりの顔なんてもちろん判別できないないけれど、そのあったかい雰囲気が十分に伝わってきて、こっちまでじんわりした。

ドームふじ基地は昭和基地から約1000kmはなれた南極大陸の内陸部の方に位置し、標高3810m、平均気温は−57℃。標高が富士山くらいの所にあるのでドームふじ基地という名前がつけられたそう。映画「南極料理人」の舞台になった基地だ。


時速8kmくらいの雪上車でかっとばし(?)、行くだけでも3週間くらいはかかるみたい。
(→数年前にドームふじ基地で氷床を掘削していた時の行程)

ミッションを終え、帰ってくる頃にはもう昭和基地での越冬生活も終わっている。
仲間達との別れを惜しむ気持ちは想像以上のものだろう。
昭和基地を離れる最終便ヘリの中から、手を振る越冬隊の皆さんを涙越しに見ていた自分を思い出す。

webカメラのアングルは、出発していく雪上車の様子をばっちり映し出す方向に向けられており、LAN担当Tさんの細やかな配慮があることも、なんとなく想像できて嬉しかった。

昭和に残る仲間達、そして過酷な世界へと旅立っていったドーム隊、、、
みんなにエールを送りたい。

がんばれー!!