22日、とってもキレイな晴れの朝。
ヘリは間違いなく飛ぶ晴れ空。
朝、放送が入る。
予定通り、しらせへ戻る最終便が飛ぶとのこと。
部屋の窓から眺める大好きな景色にサヨナラ。
1便目に乗る人達や見送りの人達がいなくなりガランとした基地内をウロウロした。
「さよなら」って心の中でつぶやきながら写真を撮った。
私が乗る2便目、ホントにホントの最終便に乗る人のお迎えがキタ。
たくさんの荷物をトラックまでバケツリレー。
最後のバケツリレー。
トラックへ乗り込む前、外で皆それぞれ写真を撮りあったり握手を交わしたり、涙をながして語り合ったりたり…。
わたしはそういうみんなの様子を写真に納めた。
大好きなみんなの様子を残しておきたいと思った。
ヘリポートまでの道。
4台のトラックが走っていく。
私が乗ったのは最後尾を走るトラックの助手席。
前を走るトラックの荷台には、全オングル島住人がギュウギュウ詰め。
乗せすぎた人生ゲームのコマみたい。
いつものように、でこぼこ道を走っていく。
何人かこぼれ落ちそうなバウンドを繰り返しながら(笑)
ヘリポートへ到着。
間もなく轟音と共にヘリがやってきた。
ヘリへも荷物をバケツリレー。
みんなで最後のバケツリレー。
ホントに最後のバケツリレー。
荷物もなくなり、次は人間。
もう乗らなければ。
ヘリまで続く、越冬隊の皆さんの列。
笑顔でお別れがしたかった。
言葉がみつからなかった。
だから、みんなにハイタッチ!
ヘリに乗る直前、列の最後に立っておられた石沢隊長にハグ!
ありがとうございました!お元気で!!
という気持ちをこめて・・・
ヘリの窓から下を見る。
ヘリのすんごい風に吹っ飛ばされそうになりながら、
「夏作業おつかれさま」と書かれたシーツの端っこをみんな死にものぐるいで握りしめ、砂混じりの暴風で目なんて開けていられないのに、こっちに向けて手だけはめちゃくちゃふってくれている。
おもしろい。
最後の最後までホントにおもしろい。
爆笑しながら大粒の涙があふれてきた。
子供の頃のようにぐちゃぐちゃに、おえつしながらビデオをまわしつづけた。
ヘリから見る昭和基地。
生コンプラント…コンテナヤード…自然エネルギー棟…作業工作棟…
色んなものが見わたせる。
色んな思い出が見わたせる。
おえつがとまらない(笑泣)
こんな気持ちに?!こんな歳になって?!
って自分でも不思議なくらいの感動がこみあげてくる。
ここで過ごした濃密な時間は一生の宝物。
およそ1ヶ月後には、日本で待ってくれている仲間達に会える。
出会いがあれば別れもある。
そして、また再会のたのしみもある。
そうやって人とのつながりは大きくなっていくもの。
しらせ船内では思い出バナシがとまらない。
気がつくと夜中の1時半ころまでしゃべっていた。
昨晩はオーロラがみられるかなと期待したが、あいにくの曇り空…
ながい船旅、とうぶんの愉しみはオーロラと写真整理かな・・・。