13日、悪天候で飛ばないだろうと思っていたヘリが急に飛ぶことになった。
自然エネルギー棟で作業していると、「今からヘリを飛ばすので、すぐ準備して」との指示が入り、バタバタバタと出かけることに…。
目指すは湖沼チームの観測小屋がある「きざはし浜」というところ。
南極といえば真っ白な大地を思い浮かべるかもしれないけれど、この「きざはし浜」は、火星を思わせるような赤茶けた露岩やたくさんの湖、そして微々たる緑が見られるところ。
あいにくの曇り空の中、いくつかの湖や露岩域を案内していただいた。
歩いているうちになんとか太陽も顔を出してくれ、あざやかな色をした地衣類達の美しさも愉しむことができた。
↓地衣類という、菌類(キノコなど)と藻類(コンブなど)の間みたいなヤツらしい
翌日は強風であまり出歩くこともできなかったけど、きざはし最終日だった昨日はありがたいことに快晴!
きざはし浜から少し離れた『椿池』という湖の調査へ同行させていただいた。
↓湖面には部分的に氷が張っていた。椿池は海沿いにある湖。写真奥の方には氷山がボコボコと突き出た真っ白な海が広がっている。
ランチ後、湖のほとりで眠っているアザラシのミイラを見に行った。
低温、乾燥という環境下では腐敗が進まない。
今にも動き出しそうに思えるくらいキレイな姿で残るアザラシの姿、
そして、その周りを優しく取り囲む緑色のコケ…。
南極のような厳しい環境下では、本当に限られた場所でしか植物を見ることはない。
動物の糞や死骸は植物にとって貴重な栄養源なのだ。
ここが海だった頃からこの子はここに眠っているのだろうか?
ながいながい時間の中で、ちゃんとアザラシのいのちがバトンタッチされている…
人間の生きる時間では考えられないスケールの大きさ…。
ステキな光景に感動!