怒濤のような測器設置週間

9月にもう一回くらいブログの更新もしたかったんだけど、そんな余裕もいっさいないまま…
いつの間にやらもう10月。

極夜前からすっかり姿を見なくなっていた動物たちも、姿をみせはじめた。

ヒト以外の生き物をひさしぶりに見た気がする。
ほんと31人のオトコ達しか見てなかったので、カワイイあざらしちゃんにめっちゃテンションあがった。(31人のオトコ達も十分カワイイのですが(^_^; 、、、)

そんなカワイイ姿に癒されながらも、9月末は測器設置の連続だった。
その準備や野外オペレーションであっという間に毎日が過ぎていった。

ふりかえり〜怒濤のような測器設置の日々〜

まずは9月28日、
昭和基地からスノーモービルで海の上を40分くらい走り、オングルガルテンという小高い丘くらいな感じの島の頂上にGPS測器を設置しに行った。

そこまで標高が高い訳でもないけど、近くの氷山や遠くの露岩帯、対岸の南極大陸を見渡せる感じの眺めがとってもステキな場所。
あいにくの曇り空で真っ白だったのに、それでも眺めは良いと感じたので晴れた日にくるとサイコーだろうな。
オングルガルテン設置を午前中のうちに済ませ、頂上でランチ。
その足で左島という場所まで、更にスノーモービルで50分くらい移動。
左島の側の海氷上に、海氷の動きを調べるための海氷ブイを設置した。
ブイといっても海の上に浮いているわけではなく、凍った海の上にアイススクリューで固定して設置する。
ソーラーパネルつきで、バッテリーやGPS受信機が中に入っており、アンテナも一体型。
ちょっとデカめな毒キノコみたい。

ソーラーパネルからの発電があるので、日が長くなってきたこの時期だとバッテリー交換もなしで稼働し続けてくれる。
回収は約1ヶ月後。

9月29日〜30日は、
1泊2日で南極大陸上のS19という場所へGPS測器を設置しに行った。

回収は約1ヶ月後。

そしてこのオペレーションは、S19の近くのS17という場所に滑走路を設置しに行くというミッションとの複合オペレーションだった。
昭和基地は南極の中でもドロンイングモードランド地域と呼ばれる地域にあり、夏になるとこれらの地域に基地を持つ11か国の国際プログラムとしてドロムランという航空網が活動をはじめる。
アフリカと南極大陸、そしてドロンイングモードランド地域内を飛行機が運航するのだ。
我々59次隊でも昨年11月に18人が先遣隊としてドロムランで昭和基地に到着した。
そのドロムランの飛行機が降りるための滑走路は、毎年11月前にS17という場所で雪を平らにならして作る。
今回は、その位置設定をするというミッションだった。

100m×1000mの長方形を何の目印もない雪原に作るのはなかなか至難の業。
100mごとに旗を立てるんだけど、今立てた旗から次の旗までまっすぐに歩いてるつもりなのに、振り返って後ろの旗を見てみるとぜんぜん真っ直ぐじゃなかったり、、
ちゃんと長方形になってるのかデカ過ぎて見渡せないし。
とぼとぼ旗持って歩きながら、完成まで3時間くらいはかかった。

S17は高台にあって海が見える。
海と言っても青い海ではなく、真っ白で氷山の散らばった海だけど。
言わばここは海の見える飛行場。
というとデートスポットによさげ。

S17は南極大陸の上にあるので昭和基地よりも標高が高く気温も低い。
この日は風もなく天気もよかったので過ごしやすかったけど、−36℃だと自分の吐く息がみるみる凍って顔中つららだらけだった。


10月4日は、
ラングホブデと呼ばれる露岩域の雪鳥沢という場所にGPS測器の保守作業をしに行った。
雪上車で片道3時間ほどの道のり。
この日も天気がよくて絶好のドライブ日和だった。



海の上にルート旗が立てられており、その旗を目印に雪上車で走っていく。
ルート工作で作られたシュプールがあったので、それが海の上にできた道路のようだった。

ラングホブデまでの道のりの途中には、53次の時にペンギン調査の取材で度々泊まらせてもらったアップルハットも見えた。わたしの大好きな袋浦だ。(参照:「ペンギン保育園」

あざらしには出会えたけど、まだペンギンの姿は見ていない。
そろそろ初ペンギンの時期かなぁ♪