らいおん

マサイ・マラ滞在3日目は起床am3:30。
楽しみにしていた気球に乗って朝日&動物をみるツアーへ参加するためだ。

前日、ガイドのにぃちゃんモーゼスが言うには、
「朝の4時、朝食はないけどコーヒーが飲めるから、ロビーでコーヒーを飲んで待っててくれ。4時半に迎えが来るよ。」
ってな雰囲気の内容。。。

コーヒーいらないからギリまで寝てたいよ…
と思いながらも、「オーケー!」と調子よくこたえて部屋へ戻る。

翌朝、言われたとおりにコーヒーを飲み、車へ乗り込んだ。
車は真っ暗なガタガタ道を1時間ほど走り、別のホテルでもツアー参加客をピックアップ。
その後、またガタガタ道をさらに走り、やっと気球が準備してある大草原の真っ直中に到着した。
到着時には案の定、コーヒーによる尿意が多少わき始めていた。
しかしもう我慢するしかない。
旦那さんは、男の特権=野外放尿で危機を回避していた。
そんな姿をうらやましく見ていた私に、気球ツアーを開催している会社Hot Airのオッサンが
「はやく!はやく来い!」って呼びかける。
私は大きな声で急ぐよう旦那さんを促し、急いで気球のカゴまで走っていった。

まず旦那さんがカゴに乗り込み、続いて私も乗ろうとすると、、、
「ちょっと待って、、、こっち側だ」とオッサン。
え〜!?並んで乗れないのぉ〜?!って思いながらも、オッサンの示す側へ乗り込もうとすると、
「チョッヨマッテ、、、ん・・・ムリだからあっちの気球に乗れ」

・・・?!なぬ?

別々の気球に乗るのぉ〜?!って思いながらも、しゃーなし走って別の気球へ…。
「ここへ乗れ」とオッサン。
オッサンの言うとおりに乗り込んだけど、明らか定員オーバー!
その気球に先に乗り込んでた中国人客達が文句言ってる。当然だ。
「じゃぁ、降りろ」とオッサン。
またさっきの気球まで走って戻る。もう気球は浮く直前。
「・・・」オッサンはもう何も指示をくれない。
飛びさっていく旦那さんに手を振り、私は結局どの気球にも見捨てられ状態。

ウソ?!まじ?!
ありえな〜ぁああい!

↓写真中央、オッサンに連れられとぼとぼとあるく水色の子がアタシ

混乱の中、ふと振り返って見た空の色は、奇跡的に昭和とそっくり♥

しかし、そんな感動にひたっている場合ではない。。

「明日もマサイ・マラにいるか?」とオッサン。
今日この後、マサイ・マラを出てナクルへ行くと言うとオッサンは
「おぉ…どうする、、、おまえ」みたいなこと言って残念な子を見る目で私を見てくる。

どうする?じゃねーよ!!
どうしてくれるんだー?!!!ってカンジ!

とりあえず車に乗り込み、Hot Airの従業員達とともに気球を車で追いかける。
すんごいデコボコ道の草原を爆走。
わたしは膀胱の鍛錬のために早起きしてきたんじゃないんだけど!??って言いたかった。

途中、唯一のナグサメ的出会いがあった。
オッサンが前方の方を指さし、「ライオン」って言ってる。
信用ならないオッサンの言葉だが、獣オーラ全開のそいつはこっちへ向かってゆっくり近づいてきた!

ホントにライオンだ〜♪

↓写真下の方でぼんやり写ってるのはフロントガラスに張られたシール

超至近距離過ぎて、望遠レンズのカメラはシャッターがおりない。。。
窓全開だった助手席の扉一枚を隔てたすぐ隣を、そいつはゆうゆうと歩いて行った。。。
触れそうな所にそいつのたてがみがを見下ろしながら、息をのんだ。
超コワかった!すごいオーラだ!超かっこいぃ〜!!

気球に乗れなくってスネスネモードだったことも忘れ、かなりテンションを上げてしまった。
しかし、Hot Airに文句を言わねばならない立場としては、これ以上よろこんだ顔しちゃ負けだ!と思い、必死で平静をよそおう。

そこへ、また「メスライオンだ」とオッサン。

まじー?!

またテンションを上げてしまう。
しばらく車を進めていると、前を横切る獣・・・
「ハイエナだ」とオッサン。

まじー?!

またテンションを上げてしまう。

昨日まで、草食動物は山ほど見てきたけど、肉食動物が動いてる様をこんなに間近でみることはなかった。
早朝ドライブの特権か…。
いやいや、気球!
気球に乗りたかったんだよアタシャ!(涙)

見渡す限りの大草原、目的地点の想像もつかないまま、加速度を上げていく尿意のことなどお構いなしで、デコボコ道を爆走するランクル。もう泣きそう。。。
(ちなみにケニアのサファリツアーカーのほとんどは、TOYOTAハイエースかNISSANボンゴ、街中を走るバスのほとんどISUZUだった。すごいぞ日本車!ケニアで大活躍中!)

見開きのいい草原の中、テーブルを広げ朝食の準備がされている場所へやっとたどり着いた!
「さぁ朝食だ!シャンパンもあるよ」とオッサン。
朝食よりも何よりも私の目に飛び込んできたのは赤い布で囲まれた簡易トイレだった。
助かったぁ…。

南極の野外観測では、そこにいる人間は観測隊員数名だけ。
なので、「トイレ行ってきまーす」と宣言していけば、誰に見られる心配もなく大自然の中での放尿を愉しめた。
しかし、ここでは、数多くの観光客もいる。さすがに愉しめる雰囲気ではない。
赤い布きれ一枚でも、囲まれているだけ涙がでそう。

ホッとひといきついたところで、やっと旦那さんと合流。
旦那さんが撮った動画によると、気球の上からはこんなのがみえたらしい…

↓気球にビビって逃げ惑うヌーの大群

まじ悔しすぎて意味わかんないんっすけどぉー!

大草原の中、優雅な朝食を最悪な気分で済ませ、またガタガタ道を走り、ホテルへ戻ったのは12時過ぎだった。
チェックアウトのため荷物を運んでくれたポーターのにぃちゃんが案の定、、、
「バルーンはよかったかい?」と聞いてきた。
乗れなかったの…って言うと、
「なんで?」とにぃちゃん。

こっちが聞きたいわい!!と思いながら、おもいっきり首をかしげてみせると、
「じゃあ、また次の機会だね」とにぃちゃん。

そうそう来れる難易度の国じゃないんっすけどーー!!って思いながら、超苦笑い。。。

ま、そうだね、にぃちゃん!またくるよ!
南極よりも可能性としてはあるもんね!ぜんぜん。お金出せばね…。
と、半分やけくそ。半分はマジ今後のたのしみに・・・

てなわけで、マサイ・マラで気球に乗って大自然ツアー、いっしょに行ってくれる人大募集中!