春のおとずれ

またまた、あっという間に時は過ぎ、、
気がつけば10月ももう終わりに近づいてきた。

最近ホントに暖かくなってきた。

と、思う。

まぁ、暖かいといっても−13℃くらいなのだけど。
大阪でもし−13℃なんて言ったらカイロ貼りまくり着込みまくりで超気合い入れないと外出しないだろう。
慣れとはコワいもので、−20℃くらいでずっと過ごしてくると、−10℃台がホントあたたかいと思えるのだ。
支給の羽毛服がとても暖かいので、最近はその羽毛服だと汗だくになってしまうほど(^_^;
南極は季節感が少ないというけれど、ちゃんと春が来てるんだな〜と感じる。

アザラシの赤ちゃんや営巣地へ向かうペンギンの足跡も春を感じる要因のひとつ。
まだへその緒がついた小さな赤ちゃんアザラシと巨大な母ちゃんアザラシ。

そばに胎盤もあって、その胎盤にありつこうとするナンキョクオオトウゾクカモメもいた。
トウカモも久しぶりに見るとなんか嬉しかった。
母ちゃんアザラシの体長は3mくらいあって、ほんとデカい。
母ちゃんアザラシは迫力満点だけど、赤ちゃんの顔つきはやっぱりどこかあどけなく、とってもキュート♥

昭和基地の周りでもペンギンの足跡が最近よく見られる。
どこにペンギンが飛び出してくるような海氷の割れ目があるのだろうかと不思議に思うほど見渡す限り真っ白な海。
そんなだだっ広い凍った海の上をトコトコと歩いてきたんだろうなと思うと足跡だけでもけなげで可愛らしく思える。

ペンギン達はこの時期になると産卵のため遙々自分の営巣地まで帰ってくる。
こんなだだっ広い大自然の中でGPSもなく自分のオウチを覚えててちゃんと帰ってくるなんてスゴイな、ペンギン。

そんなペンギン達に会いたくて、、
土曜日の午後、ペンギンルッカリーのあるまめ島まで散歩に出かけてみた。
往復で12km強の道のりだったけど、雪深いところではズボズボと足をとられ、思いのほか疲れた。
雪面に残されたペンギンたちの足跡に励まされながら片道2時間ほどのウォーキング。
まめ島近くでは1羽でトコトコと歩いている子も発見!
そして、まめ島に到着すると

おる!おる!

めっちゃ、おるや〜ん!


みんな産卵のために栄養をたっぷり蓄えてきてるので夏に見るアデリー(参照:「成長してる!」)とは見違えるくらいプクプク〜!

営巣地に帰ってきたペンギン達は繁殖中エサを食べずに過ごすらしい。
そりゃ、簡単にあの道のりを行き来できないよなと思う。
産卵を終えると抱卵をオスに任せ、メスがまずは海までエサを食べに行くらしい。
結果としてオスは1ヶ月以上も絶食状態で頑張るみたい。
そりゃ、プクプクにしとかないと身が持たないよね。

恍惚のディスプレイ↓

巣の準備ができたオスがメスを呼ぶアピールらしい。

夏のアデリーでは見られなかった抱卵斑もハッキリとわかる。

抱卵斑は卵を温めるための部分で、羽毛がなく皮膚が露出した部分。
まん中に穴の開いた腹巻きをしているような、、、
お腹にそんな部分があって寒くないのかなと心配になるけれど、、、

春の出産ラッシュが始まり、これから卵がかえって小さな赤ちゃんペンギン達が誕生する。
そうして、また夏がやってくるんだなぁ。