初日の出

1月19日 日の出・日の入 ナシ
1月20日 日の出 ナシ
1月20日 日の入 翌0時9分
1月21日 日の出 0時57分

つまり、
深夜0時57分、昭和基地では初日の出を迎える。
11月21日にラストサンセットを拝んでから2ヶ月間でっぱなしだった太陽がついに沈み出す。

1月も早かった、、、
もう20日か。
ここでの生活もあと10日ほど。

あっという間の1月を振り返り、、、


1月2日〜3日 雪鳥沢
 

GPS測器保守と地震計保守、インフラサウンド観測点の増設作業。
小屋裏に通称「白コンブ湾」と呼ばれる湾があり、小さい方の用を足すのに使っているのだが、その白コンブ湾内に奇跡的なとけ残り方をした氷があった。
 


1月4日 雪鳥沢からきざはし浜へヘリで移動

越冬期間に雪上車で間近まで見に行ったハムナ氷瀑の上空を飛んでいく。
 

近くに立つと圧倒されるほどデカくて青かったなぁ。
 

雪鳥沢からきざはし浜までも雪上車だと2〜3時間くらいかかるのにヘリだとものの10分で着いてしまう。ヘリすげぇ。
きざはし浜でもGPS測器保守作業。
お迎えのヘリが来るまで少しお散歩。

シェッゲが美しい。

山頂からの眺めはサイコーだったなぁ。



1月6日〜10日 スカーレン

GPS測器保守と地震計保守、インフラサウンド観測点の増設作業。
 



1月12日 とっつき岬GPS測器設置作業
1月15日 とっつき岬GPS測器回収作業

3日前に設置したアンテナはトウカモがしっかり見守ってくれてたみたい。
 

よく見るとトウカモの赤ちゃんの姿も♥
 

いつの間にこんなコワモテになるんだろ(^_^;
 



1月13日〜14日 明るい岬
 

GPS測器保守と地震計保守作業。

明るい岬の観測点近くには小さなペンギンルッカリーがあり、テントの周りをペンギンがウロウロしていて癒される。
そして就寝前、海へ用を足しにいくと、アシナガウミツバメがやたらと近くに飛んできた。
 

写真を撮りまくっていると、向こうの方から近づいてきてヒラヒラと目の前に舞い降りてくれた。
 

まるで一緒に遊ぼって言ってるみたいだった。
ついつい夜更かししてしまった。
 



1月16日 パッダ島
 

GPS測器保守作業。
ほんと、この日は天気がよくて、どこまでも続く白い水平線が美しかった。



1月19日 ザクロ池・大池

地温計保守作業。
ヘリから見える海はホント海らしくなってきている。
ほんの2ヶ月くらい前には何度も雪上車で行き来した道。
ほんと、「道」じゃなく海だったんだなぁと実感。

野外オペレーションは、だいたい去年と同じ場所に行かせてもらったけど、越冬中の色んな思い出を振り返りながら見る光景は、ひとつひとつが去年と違って感慨深かった。
そして、ホントに今度の今度こそ、一生来ることないな感ハンパない。
すんごい景色を見ながらの野外放尿や歯磨きもこれが最後。
野外で過ごすと、とてつもない大自然の中で自分のちっぽけさを感じ、謙虚な気持ちになれる。
そんな気持ちを忘れないよう、ひとつひとつの景色を目に焼き付けるように過ごした。

そして、野外オペレーションが終わり基地へ帰ると59次の仲間達がヘリポートまで迎えに来てくれている。
そんなみんなの顔を見ると、「オウチに帰ってきた」って気持ちになってホッとする。
この1年4ヶ月を過ごしてきた昭和基地は今の私の「オウチ」。
でも、あと10日もすればまた引っ越しだ。

みんなでワイワイ囲む食卓。
食べ終わってみんなで食器洗い。
洗った箸落として「こらーっ」って言いあう。
他愛ない日常の場面ひとつひとつが、もう少しで終わっちゃうのかと思うとなんだかせつない。
名残惜しい気持ちももちろんあるけど、念願だった越冬生活を過ごさせてもらい、ある程度、いろんなことに納得がいった気持ちもある。

2月1日の越冬交代後、約50日の長い船旅を経て、やっと日本の「オウチ」に帰ります。

伊勢エビフライ

あけましておめでとうございます。

昭和基地でお正月を迎えました。

おせちは調理隊員が皆のリクエストに応え、伊勢エビフライ入り♪

映画「南極料理人」でしかみたことのない幻のメニュー。
今後、絶対に食べることはないだろうな。
普通サイズのエビフライと並べてみたいくらいデカかった(笑)


「南極料理人」と言えば、、
59次隊には、あの映画のモデルになったドームふじ基地の越冬隊の1人であるH沢さんがいる。そんなH沢さんは今、南極大陸のS17という場所でお正月を迎えている。
予定では昭和基地へ戻ってきてみんなと一緒に過ごすハズだったのだけど、悪天のためヘリが飛ばず、S17の観測小屋に残留となった。
H沢さん、前回の越冬は映画の通りドームふじ基地だったので、何回も南極に来ているわりに昭和基地でお正月を迎えたことは1回もないそう。
よっぽど内陸に縁がある人なんだろう。

昭和基地では手作り神社(神社の名前は、隊長の名前『暢彦』にちなんで暢田彦神社)、手作りおみくじも用意されており、わたしが引いたおみくじは「吉」。

「H沢尚 : 天候に恵まれません。内陸と相性よし。家に帰れぬことあり」
いや、、、
そろそろ日本に帰りたいなぁ。

大晦日の夜にはBARで南極すごろく(南極OB会が販売しているグッズ)をやった。
「身体検査で再検査」の所に止まるとふりだしにもどらなきゃいけなかったり、最後の方に「1が出るともう1年越冬」という箇所があったり、コマが雪上車だったり、しらせだったり。なかなかマニアックなすごろくで愉しかった。

すごろくのゴールは『帰国』。
本当の帰国ゴールまであと2ヶ月半ほど。
昭和基地での生活はあと1ヶ月…。

ゆく年くる年@昭和基地

このところ忙しすぎて、あっという間にもう大晦日。
忙しかった12月をふりかえり、、、

12月18日
 全員作業で夏隊宿舎の立ち上げ作業。
夕食後には、ヘリポート下の雪面に「ようこそ」の砂文字を書きに行った。
デッカく書きすぎて地面からではちゃんと読めるのかわからずちょっと不安。
(後日、野外オペレーションでヘリから確認するとちゃんと文字になってた(^_^)v)

12月19日
 当直と除雪。
 60次隊お出迎えの準備いろいろ。

12月20日
 60次隊の人達がしらせからヘリに乗って昭和基地にやってくる予定の朝。
 出迎えのトラックは7時45分発。
 朝食を食べてから歯磨きをしていると全館放送が流れた。
「本日の第1便は延期になりました」
 ドッヒャ〜。
 ビールは1週間前くらいに底をついていた。やっとビールが飲めると思っていた隊員達の悲鳴が聞こえてきそうだった。

12月21日
 今日こそやってくるか、待ちに待った第1便!という朝。
 またまた全館放送が流れた。
 またまたドッヒャ〜。

12月22日
 朝からヘリポートへお出迎え。
 今日こそお出迎え。
 ホントに来たよ、ヘリコプター。

 60次隊のみなさんを握手で出迎え、初荷スチコンも降りてきた。

 出迎えセレモニーの後は、やっと届いた食材達を運び込む作業。
 野菜、フルーツ、卵、ビール、小麦粉、、、ながらく底をついていた色んな食材をバケツリレー。
 テンションあがる〜。
 夜は焼肉パーティー♪
 久々の生野菜達に皆大喜びだった。
 わたし的には高級そうなお肉にテンション上がったけど、、、

12月23日
 ヘリによる優先物資輸送。
 ヘリから降ろされた荷物をトラックで各棟へ運んでいく。
 ヘリやトラックが行き交い、一気に基地が夏の風景になった。

12月24日
 朝ごはんでみんなが飛びついていたメニューが卵かけご飯。
 久しぶりの生卵なのだ。
 

 日本でもそんなに卵かけご飯なんて食べないけど、久しぶりに食べるとメチャおいしかった♪
 そして、今日も優先物資空輸。
 運転免許はいちおうマニュアルでとったけど、乗れる気がいっさいしなくて(^_^;セミオートマのトラックドライバー。
 大阪に帰ったらもう一生車なんて運転しないだろうな。
 夜は60次隊の歓迎会♪
 すんごいご馳走のクリスマスイブだった。
 

12月25日
 明日からの野外オペレーションで基地を離れることになるので各所の月末処理を行った。
 昨日めちゃくちゃご馳走食べときながら、今晩はクリスマスということでまたご馳走。
 毎日シアワセ♥
 窓からは接岸したしらせが見える。
 

12月26日
 ヘリコプターで1年ぶりのルンドボークスヘッダへ。
 越冬中に行った雪鳥沢やきざはし浜を見下ろしながらひとっ飛び。
 シェッゲも雪上車だとあんなに時間かかるのに、ヘリだとあっという間だ。
 着陸ポイントに降り立つと、去年ヘリのお迎え待ち中に暇すぎて作った石文字がそのまま残っていて驚いた。(参照:「激動の2017年さようなら」
 

 
 一通りの測器保守を終え夕食を食べていると、予報通り風が強まってきた。
 トイレテントは瀕死の状態。

 常に背中を押されながらなんとか用を足し、立ち上がるとフタは自動で閉まるシステム。

12月27日
 朝まではキツかった風も少し弱まりヘリのピックアップまで時間も少しあったので高台へ登ってみた。

 ちっちゃく「山」の字の山が見えた。
 ボツンヌーテンだ!(参照:「ボツンヌーテンとポチ」

 どんだけ遠いねんっ!ボツンヌーテン。。。
 犬ぞりで行ったという1次隊、スゴすぎ。
 最近、自分が重くて(;^_^A逆立ちキツいため、、ボツンヌーテンバックにジャンプしてみた。

12月28日〜31日
 野外オペレーション予定だったけどすべて悪天でキャンセル。
 基地作業や引継ぎなどを行い気が付くと大晦日、、、

大晦日は、お餅つきして、そば打ちして、ギョウザ包みして、除夜の鐘ならして、、
外で紅白歌合戦♪

最後はみんなで肩組んでサライ熱唱。
いやぁ〜〜
すごい年だったなぁ〜、2018年。

おおいそがし

忙しい。
おそろしく忙しい。
あと、もう少しで60次隊が昭和基地へやってくる。
しらせは順調にこちらへ向かってきている。(参照:「進め!しらせ」

しらせがやってくるまでに、持って帰る荷物の準備もしなきゃだし、運ばれてくる荷物の置き場も作っておかないとだし、もちろん夏隊が暮らす夏宿も使えるようにしとかなきゃいけない。
「持って帰る荷物」といっても、スチコン(参照:「南極に行きたい変わりもの」)単位なので、各棟にそのスチコンを配布するために、まずは除雪をする必要がある。
トラックが走れるような道も除雪して作っておく必要がある。
去年、昭和基地へ到着したとき、「雪すくなっ!」と思った記憶があるが、少なかったのはそれだけ除雪の努力があったからなのだということを痛感する。

パワーショベルですくった雪をクローラーダンプに積んで運んだり、ブルドーザーで雪を押したり、重機による除雪がメインになってくるんだけど、雪の上に砂をまいておくだけでも雪の減り方は劇的に早くなる。
白い雪は太陽光を反射してしまうけど、真っ白な雪面に砂をまいて茶色くすると反射率が下がり雪はとけていく。つまり、砂をまくことでアルベド(天体の外部からの入射光に対する、反射光の比)を下げているわけだ。
地学の授業で「アルベド」という言葉は教えるけれど、これほどまでにアルベドの差による効果を実感できてちょっと感動。
たとえば、、
一時はこれくらい雪で埋もれた重力計室入り口だったけど、、、

砂をまいておくと

こんなになっちゃう
沈まぬ太陽は私達が眠っている間にも着々と雪をとかしてくれている。

ながらく見なかった土の地面が昭和基地の中に増えてきた。

気温もマイナスばっかりだったけど、ついにプラスになる日がチラホラ増えてきた。場所によっては今日本の方が寒いくらいではないだろうか。

12月に入って海氷ルートも閉鎖となり、雪上車で沿岸へ出かけることもできなくなった。
12月1日、抱卵期のペンギンセンサス(参照:「2018年最後のサンセット」)にはスノーモービルで出かけた。
この日に行ったのは、めちゃくちゃ大きなルッカリーのあるルンパという島。
島の中には3カ所ほどルッカリーがあるのだが、一番大きなルッカリーはカウンターを使って数える方法ではなく写真撮影して写真から判断する方法がとられている。
どんな写真かというと、、、

ゴマ?

いやいや、ペンギンです。

もう、そりゃ、カウンターで数える気なんておきないくらいウジャウジャいる。

小さいルッカリーは、こんな感じ↓

すぐそばにはナンキョクオオトウゾクカモメ(トウカモ)の巣もあった。
「巣」といっても、石が積み上げてあるとか枝がワサワサしているとか特に何かがあったりするわけではない(そもそも南極に木はないので、イメージする鳥の巣っぽいものの材料となりそうな枝はない)。
何故そこが巣とわかったかというと、我々がトウカモに近づいた時、逃げずにギャーギャーとうるさく威嚇してきたので見てみると、卵らしき物体が転がっていたのだ。

トウカモはペンギンのヒナや卵を狙うペンギンの天敵。
卵を抱く親トウカモのお尻の下あたりには、何年ものかと思うくらいカピカピなペンギンのミイラがあった。
トウカモ母ちゃんはそんなこと気にもしていない様子。

トウカモ目線からいうと、この住まいは食べ放題のバイキングレストランのすぐ近所という好立地条件なのだ。
トウカモは食物連鎖の頂点にいる子なので隠れたりする必要もなく、唐突に何でもないとこにいきなり座ってる。

ペンギン達は数で勝負といった感じ。
隣の子が食べられてもウチの子が食べられなかったらラッキー的なものだろうか。数的に考えても、ここに産まれるペンギンのヒナ達が1組のトウカモ夫婦のエサとして全滅することはないハズ。
自然の摂理とでも言ったらよいのだろうか。
カピカピのペンギンミイラがあちこちに散乱する中、抱卵するペンギン達と、抱卵するトウカモがすぐそばで共に暮らしている様子はなんともいえない不思議な光景だった。

ルンパの後は、11月に行った弁天島にも行ってみた。
3羽のペンギンがいたあの複雑な雰囲気のルッカリーだ(参照:「2018年最後のサンセット」)。
ちゃんと卵を抱いている子が1羽いた!

三角関係も収拾がつき?1羽は消え去り、おそらく夫婦の片割れはエサを食べに海へ出ている。
そして、この弁天島にもトウカモ夫婦が1組いた。

この関係はキビしいだろう。
トウカモvsペンギンが1対1なんて、、、
せっかく三角関係を乗り越えて卵を授かったペンギンだけど、ヒナが大きくなるまで守られる確率は低そうだ。
トウカモにしても唯一のエサなんだから見逃すわけにはいかないだろう。
カワイイ方に同情し、そうでない方が天敵扱いという構図は人間の勝手な見方なのかもしれない。
がんばれ!アデリー
がんばれ!トウカモ
みんな命をつなぐため、必死にがんばっている。

グリーンフラッシュ

2018年最後のサンセットはグリーンフラッシュだった。

グリーンフラッシュとは、
ウィキペディアによると、、

太陽が完全に沈む直前、または昇った直後に、緑色の光が一瞬輝いたようにまたたく、非常に稀な現象。

だそう。

なんで緑色に見えるのかという解説をウィキペディアからかいつまんでみると、、、

夕方、太陽の光が地球の大気に斜めに入射すると、短い波長の光は散乱され、長い波長の赤に近い光だけが地表に届くことになる。そのため普通の夕日は赤く見える。それが、空気の非常に澄んだ条件下だと、波長の短い緑の光まで散乱されず地表に届く。この時、赤から緑の色に分離した太陽が上下に少しずれながら重なり合って見えるが、日没や日の出の際に赤色の太陽が地平線、水平線、雲などで隠されると、最頂部の緑色のみが見えることになり、結果、緑色の太陽が見える。

これが普通の赤い夕日↓

で、これがグリーンフラッシュ↓

ちなみに、このグリーンフラッシュは目線の高さを変えることで何回も見ることができる。
太陽が山に隠れるか隠れないかのキワッキワを狙えばいいわけだから、山に隠れたとしても、もっと高いところへ移動して見る位置を変えればいいわけだし、もっと簡単に言うと、屈伸運動を繰り返すだけでもOK。
目線の位置が微妙に変わるだけで、山際の太陽は緑になったり赤になったり見えなくなったりを繰り返す。
傍から見ると、かなり滑稽な鑑賞法だろうけど。

そうして30分ほど、位置を変えたり屈伸運動したり背伸びしたりしながら、落ちつきのないミーアキャット風にグリーンフラッシュを堪能した♪
目には見えても、なかなか写真におさめることは難しく、なんとなく緑っぽく写った写真は数枚だけだった。

さらに、ウィキペディアによると、、

見られる確率が非常に低いことから、ハワイやグアムではグリーンフラッシュを見たものが幸せになるという言い伝えがある。

らしいです。

あやしい動きで何回も見ちゃったけど、幸せになれるかしら、、、

2018年最後のサンセット

本日の日の出  0:49 
本日の日の入 23:44
ホント、ちょっとの間しか沈まない。
そしてそして、、、
明日の日の出 0:31
明日の日の入 **:** 

そう。ついに明日からは日の入りがなくなる。
ということで、本日は2018年最後のサンセット。
せっかくなので布団に入る前に見に行こう。

ちなみに、この超真正面ビックリ顔のペンギンカップルは、先週の日曜日にペンギンセンサスというペンギンの数を調査しに行くオペレーションで出会った子たち。
毎年、同じ時期に同じ営巣地(ルッカリー)でペンギンの数を調査しているのだ。
野鳥の会かとツッコみたくなるカウンターを持ってカチカチと地道に数を数える。
多いところでは500羽くらいのペンギンがいて何度も心が折れそうになる。
複数人で三回ずつ数えて平均値をとるらしいが、自分の中でも三回の誤差が大きくて笑うしかないくらい。
まめ島のルッカリーでは、1回目501羽、2回目440羽、3回目431羽という結果。だんだんどうでもよくなってきている心情が読み取れる数字(^_^;。
過疎化が進んで?めっきり数が少なくなっているルッカリーもある。
弁天島のルッカリーは過去の数値からいうと30羽くらいのよう。
日曜のペンギンセンサスで最初に行ったのが弁天島だった。
弁天島の周囲には、潮の満ち引きで凍った海が大きく盛り上がった箇所があったり、大きな割れ目があったりして上陸するのも一苦労だった。
最近は−5℃前後くらいの日が続いてホント暖かいし、山頂へ着いた時には汗だくだった。
登ってはみたもののペンギンの姿はなく、弁天島の観光名所?弁天さまの姿も見つけることができなかった。
と、その時、N山隊員が

「いた!弁天さま!」

雪に半身埋もれた弁天さま発見。

せっかくなので記念撮影でもしようと弁天さまの方へ行こうとしたところ、
またまたN山隊員が

「いた!ペンギン!」

うっそ〜ん。

わかります?

ペンギン。

どこにいるか、、、


ホンマや!おる!

近づいてみると、複雑な雰囲気。
3羽いました。

ってか、この急斜面をよく登ってくるなとビックリする。
手も使えないし、バランス超悪そうだし、たっぷり栄養蓄えてプクプクだし、、、
驚異の脚力としか言い様がない。

そんなカウント超余裕な弁天島ルッカリーの次に向かったのはオングルカルベン。
オングルカルベンは1つの島の中にも数カ所ルッカリーが点在している。
一番大きなオングルカルベンAルッカリーには私のカウントで240羽くらい、次に大きなオングルカルベンBルッカリーには190羽くらいのペンギンがいた。
Aルッカリーは山の斜面一帯に広がっており、写真に全体像を納めることはできなかった。
全体像を写せたBルッカリーでこんな感じ↓

もう、一生ぶんのペンギンを見たのではないかといいながら歩いた。
ペンギンは数が多いばかりではなく、ウロウロと歩き回るのもカウントする心が折れる要因の1つ。
じっとしてくれているペンギンは卵を抱いているペンギン。

石の奪い合いなんかして追い払われたペンギンはダッシュで動き回るためややこしく場を乱す。

怒るとすごい勢いで噛みつくもんだから、シルエットがかわるほど皮膚が引っ張られて伸びてるペンギンもいたり、、
石を盗って逃げたんだけど、うしろから追いかけてきたペンギンに足で跳び蹴りされ前のめりにおもいっきりコケてるペンギンもいたり、、、
新喜劇さながらのペンギン模様にたっぷり笑わせてもらった。

あと、弁天島周辺のクラック(氷の割れ目)付近にはアザラシの親子がたくさんいて癒された。

昭和基地でも上空にユキドリが飛んでいるのを見かけるようになったり、生き物が活発に活動する季節になったことが実感できる。
いよいよ、昭和基地に太陽の沈まない夏がやってくる。